FPSゲーム『Valorant』の女子世界大会『VALORANT Game Changers Championship 2024』で日本チーム最高位となる6位となったZETA DIVISION GCですが、なんと2024年に世界で4番目に多く視聴された女性eスポーツチームだったことが分かりました。
eスポーツの調査分析を行うEsports Chartsは、2024年の女性のeスポーツ大会に関するデータを発表しています。進境著しい女子eスポーツ界の事情について一緒に見ていきましょう。
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女性のための世界大会Game Changersがアスリートの転機に
ZETA DIVISION GCが視聴時間159万時間で4位にランクインしたのは、世界大会で6位という好成績を収めたことが大きかったでしょう。ZETA DIVISION GCの瞬間最高視聴者数は、143,500人でした。
2024年に最も視聴された女性eスポーツ大会はドイツ・ベルリンで開催された「VALORANT Game Changers Championship 2024」でした。グランドファイナルの瞬間最大視聴者数は 464,500人を超えました。Shopify Rebellionが他を寄せ付けない戦いぶりで二連覇を達成した大会でした。
この大会後、カナダ人選手Ava “Florescent” EugeneはVCT Ascension EMEA 2024で優勝したApeksと契約し、男女が対象の主要大会Valorant Champions Tourに参戦しました。
つまり、Game Changersがその名の通り、選手の転機になったのです。Florescentは、Game ChangersからValorant Champions Tourにステップアップした初のケースとなりました。
今後プロゲーマーを目指す若手の女子選手に勇気を与えたことは間違いありません。
なお、『Mobile Legends: Bang Bang』では男女が対象の大会「MDL ID」に女子チームが初めて招待されました。
女性eスポーツチームの視聴時間ランキング(2024年)
1位:MIBR GC (Valorant)[356万時間]
2位:G2 Gozen (Valorant)[230万時間]
3位:Shopify Rebellion (Valorant)[225万時間]
4位:ZETA DIVISION GC (Valorant)[159万時間]
5位:Team Vitality Female (Mobile Legends: Bang Bang)[150万時間]
6位:Xipto Esports (Valorant)[146万時間]
7位:Indonesia Female (Mobile Legends: Bang Bang)[137万時間]
8位:KRÜ Blaze (Valorant)[123万時間]
9位:Falcons Vega (Mobile Legends: Bang Bang)[123万時間]
10位:TSM Phoenix (Apex Legends)[109時間]
大会数と視聴時間は減少も賞金は増額
世界の女性eスポーツを牽引しているゲームタイトルは『Valorant』と『Mobile Legends: Bang Bang』です。
Riot Gamesは2021年にVALORANT Game Changersという公式大会を発足させ、主要な女子eスポーツ大会として認知されるようになっています。
2024年の女子大会の視聴時間は2165万時間と前年と比較して約25%減少しました。しかし開催された大会の数が約2割減少したためで、必ずしも女子eスポーツの人気が低下したというわけではありません。大会数が減少したにも関わらず、賞金プールは2,952,118ドルと引き続き上昇しています。
賞金額は300万ドル近くまで来ました。これは、大会運営サイドの努力や社会の理解度が高まっていることを示唆しています。男女が対象の主要大会と比較すると大幅に下回りますが、2018年の賞金が10万ドルにも満たなかったことを考えると大きな進歩と言えるでしょう。
女性eスポーツ大会(ゲームタイトル)の視聴時間ランキング(2024年)
1位:Valorant[59.7%]
2位:Mobile Legends: Bang Bang[29.6%]
3位:Counter-Strike[4.3%]
4位:League of Legends[2.3%]
5位:Fortnite[1.3%]
6位:その他[2.8%]
ゲーム別の女性eスポーツ視聴者の分布でもValorantが圧倒
2024年に視聴された女性eスポーツ視聴時間の合計2,165万時間のうち、Valorantが大きなシェアを占めています。Game Changersの成功裏に閉幕しましたが、総視聴者数が前年比で減少したのは少し気がかりです。発足して数年が経ち、メディアで取り上げられる機会が減りつつあるようです。
『Counter-Strike 2』や『League of Legends』『Fortnite』も多くの視聴者を集めました。
なお「女性eスポーツチームの視聴時間ランキング」でも、Valorantが上位を独占しました。最強を誇ったShopify Rebellionを上回る視聴時間を叩き出したMIBR GCとG2 Gozenは、頼もしい限りです。
「Apex Legends Global Series 2024: Split 1 Pro League - EMEA」に出場したTSM Phoenixは、『Apex Legends』のチームで唯一ランクインしました。
女性eスポーツ大会(ゲーム別)の賞金
賞金総額は300万ドル近くまできました。賞金のオフライン・イベント数は全体の約4分の1程度ですが、賞金シェアは73%でした。つまり、オンライン大会より、オフライン大会のほうが、賞金が高額になっている傾向があるということです。
また、賞金額と視聴時間には相関関係が見られました。つまり、高額賞金の大会は、より多くの人が視聴する傾向があります。
大会の賞金総額が50万ドルを超えたのは『Valorant』と『MLBB』のみでした。
それ以外のゲームタイトルでは、『Counter-Strike 2』や『League of Legends』でも女性の大会が積極的に行われています。
『LoL』は賞金こそ上位ではありませんが、人気は高いものがあります。女子ゲーマーとして名前を売るには、うってつけでしょう。
調査結果を踏まえて
世界の女性eスポーツは、2018年以来、右肩上がりだった視聴時間が減少しましたが、それ以外の数値は概ね増加しました。また、実際にステップアップする女性プレイヤーやチームも登場してきています。2024年は、女性eスポーツの今後のさらなる発展に期待が持てる1年になりました。
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ZETA DIVISION公式:
Web:https://zetadivision.com
X:https://twitter.com/zetadivision
Instagram:https://instagram.com/zetadivision
YouTube:https://youtube.com/c/zetadivision
(C)©Esports Charts ©GANYMEDE
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URL: https://www.gamers.work/
参照:
https://escharts.com/news/female-esports-2024-report
https://escharts.com/news/mdl-indonesia--womens-teams-season-10