『eFootball』のコナミとFIFAが提携し初の「FIFAe World Cup」開催

2024年10月13日

イースピ編集部

コナミデジタルエンタテインメント（KONAMI）は10月10日、モバイルと家庭用ゲーム機それぞれの「eFootball™」を競技タイトルとする「FIFAe World Cup™」を2024年内に開催することを発表しました。開催場所や時期などの詳細は後日、明らかになる予定です。

これは、あわせて公開された国際サッカー連盟（FIFA）との全世界におけるeスポーツの継続的な発展に向けた協業に関する契約締結の一環になります。

世界のサッカーコミュニティの歓喜を、eスポーツを通してさらに押し上げることが協業の目的で、国・地域を代表する選手が大会に出場することで、この取り組みはコミュニティとのつながりを新たな次元に引き上げるとしています。

「eFootball™」を最新バージョンにアップデートすることで、誰でも新たな世界大会に挑戦が可能です。初年度の「FIFAe World Cup™」決勝大会には、選手層や過去の成績など、さまざまな観点から複合的に選ばれた18の国・地域の代表が招待されます。

初開催となる「eFootball™」の「FIFAe World Cup™」の参加国・地域は次の通り：
アルゼンチン、ブラジル、コスタリカ、イングランド、フランス、インド、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、モロッコ、オランダ、ポーランド、ポルトガル、サウジアラビア、スペイン、タイ、トルコ。

「FIFAe World Cup™」の決勝大会に出場する日本代表選手は、日本サッカー協会（JFA）が10月～11月に開催する「JFAサッカーe日本代表選抜大会 2024」で決定します。（詳細は下記）

コンテンツ

1 サッカーゲーム界に激震
2 日本代表選抜大会を開催
- 2.1 JFA サッカーe日本代表選抜大会2024 概要
  - 2.1.1 eFootball™ゲーム内予選概要
3 「FIFAe World Cup™」関係者のコメント

サッカーゲーム界に激震

今回のKONAMIの発表は、サッカーeスポーツ界において非常に重みをもって受け止められています。なぜなら、KONAMIにとってFIFAは目の敵だったからです。KONAMIの『ウイニングイレブン』（ウイイレ）とアメリカのゲーム会社エレクトロニック・アーツ（Electronic Arts：EA）の『FIFA』とは、長らく2大巨頭として切磋琢磨してきました。

その後継タイトルとなるのが『eFootball』と『EA Sports FC』です。

KONAMIは、1995年から世界中にサッカーゲームを提供しており、その累計販売本数と累計ダウンロード数の合計は8.5億を超えています。1990年代から、さまざまな大会を実施しサッカーコミュニティ拡大に貢献。近年では、欧州プロサッカークラブチームとともに「eFootball™ Championship 2024 Club Event」を開催したり、公益社団法人日本プロサッカーリーグ（Ｊリーグ）と「eＪリーグ eFootball™」を共同開催するなど、eスポーツとリアルスポーツを組み合わせた取り組みを拡大。

そして今回「FIFAe World Cup」を組織するに至りました。

『ウイイレ』は国産とあり日本で広く支持されましたが、世界に目を向けると近年は『FIFA』に押され気味の感がありました。その苦戦の原因の一つとして考えられるのが、統括団体である国際サッカー連盟との提携でした。KONAMIが『eFootball』に刷新したのは、巻き返しを図る意味もあったと考えられます。

しかしその後、ライバルのEAは、公式ライセンスの契約交渉がまとまらずにブランド名を変えざるを得なくなりました。こうして両者がほぼ同時期にブランド名を変更するに至りました。

当初、国際サッカー連盟は第3のゲーム開発に参画すると思われていましたが急転、直接ライバル争いをしてきた『eFootball』に鞍替えすることになりました。このニュースは、日本以上に海外で衝撃を持って伝えられています。なぜなら、サッカー本場の国々では「FIFA」といえばEAのゲームのことだったからです。「これからFIFA公式のタイトルは『eFootball』です」と言われ混乱状態にあります。今、プレイヤーは乗り換えるかどうかの岐路に立たされているのです。

『EA Sports FC』はブランド名を変更後、売上は落ちるどころか逆に上がってしまいました。その上、巨額のライセンス料がなくなってコストが軽減されたため、マーケティングの予算に回す余裕も出ているようです。全体としては、移行は成功したと見られています。

もともと『eFootball』はアルゼンチン代表メッシなど有名どころは抑えながらも、『EA Sports FC』よりは公式ライセンス取得に注力していませんでした。今回のFIFAとの契約条件は公開されていませんが、EAが支払っていた金額より低いことが考えられます。

FIFAはEAとの契約更改の交渉時に、契約金を倍増させることと独占条項の撤廃を要求し、それをEA側がのむことが出来なかったと言われています。

結果だけを見ると、FIFAはブランド価値を過大評価していた可能性が考えられます。もしくは、ライセンスの売上を落としてでも複数のゲーム会社と協業することをFIFAが望んていたのかもしれません。

とはいえ、『eFootball』としては、FIFAと傘下の各国協会の協力を得られることは心強いでしょう。今後も『eFootball』と『EA Sports FC』のライバル関係は続いていくことでしょう。

日本代表選抜大会を開催

日本サッカー協会は、国際サッカー連盟（FIFA）が開催する「FIFAe World Cup 2024」に向けて、日本代表選手として出場する4選手を選抜する「JFAサッカーe日本代表選抜大会 2024」を開催することを発表しています。

「FIFAe World Cup™」は、10月10日（木）からゲーム内の予選が開幕。すべてのコミュニティが参加できるようにとモバイルと家庭用ゲーム機の2つの大会を開催。それぞれの大会でFIFAe ワールドチャンピオンを決定します。詳しい情報は、「eFootball™」公式サイトや「FIFA.GG」で更新されます。

FIFAが2024年末に主催する公式eスポーツ・サッカーの国際大会である「FIFAe World Cup 2024」は、コンソール部門とモバイル部門の2つのカテゴリーで行われ、招待された18の国や地域から、ゲーム内予選および各国で実施される代表決定戦を勝ち抜いた選手たちが世界一の座を目指して競い合います。

競技タイトルには、コナミデジタルエンタテインメントの『eFootball™』が採用され、コンソール部門では2対2、モバイル部門では1対1形式で試合が行われ、各部門の成績上位国には賞金が授与されます。

JFA サッカーe日本代表選抜大会2024 概要

日程

モバイル部門　2024年11月2日(土) 13:00開始予定

コンソール部門　2024年11月3日(日・祝) 13:00開始予定

場所

JFAサッカー文化創造拠点blue-ing!（https://blueing.jfa.jp/）

〒112-0004 東京都文京区後楽1-3-61（https://blueing.jfa.jp/access）

対戦方法

1対1

タイトル

eFootball™　コンソール（PlayStation®5 ・PlayStation®4 ）/モバイル(※1)

形式

各プラットフォームのゲーム内予選を勝ち抜いた上位8名によるオフライン大会

使用チーム

日本代表（オーセンティックモード）

代表選抜人数

モバイル部門　1名　

コンソール部門　3名（第3位の選手は控え選手となります）

参加条件

日本国籍の18歳以上の男女で、所持する日本国パスポートの残存期間が大会時点で7ヶ月以上あること

大会公式サイトに詳細

https://www.jfa.jp/match/JFA_eNational_team_selection_2024

eFootball™ゲーム内予選概要

※選抜大会に出場するためには、ゲーム内予選を勝ち上がる必要があります。

ゲーム内予選Round1

日程：10月10日(木)～10月17日(木)

使用モード：ドリームチーム

イベントタイプ：チャレンジイベント（AI戦）

ゲーム内予選Round2

日程：10月10日(木)～10月17日(木)

使用モード：ドリームチーム

イベントタイプ：チャレンジイベント（対人戦）

ゲーム内予選Round3

日程：10月18日(金)～10月21日(月)

使用モード：ドリームチーム

イベントタイプ：ランキングイベント

※ゲーム内予選の詳細に関してはeFootball™大会公式サイトをご確認下さい。

https://e-football.konami.net/fifae_world_cup/2024/ja

「FIFAe World Cup™」関係者のコメント

＜株式会社コナミデジタルエンタテインメント＞　

当社はこれまで、サッカーとeスポーツの発展に向けてチャレンジを続けてきました。今回、FIFAeとの取り組みにより、新たな次元でサッカーの振興に貢献できることを大変喜ばしく思います。この機会を提供して頂いたFIFAeの皆さまに心から感謝申し上げます。「FIFAe World Cup™」の開幕が、今から待ちきれません。世界中の「eFootball™」選手の皆さんの熱狂と興奮と歓喜が、「FIFAe World Cup™」を通して、１人でも多くのファンに伝わることを心から楽しみにしています。（専務執行役員　小林康治）

＜国際サッカー連盟（FIFA）＞

KONAMIとの取り組みを発表できることを大変嬉しく思います。新たな「FIFAe World Cup™」は、サッカーを全世界に普及させ、プレーヤーたちにそのスキルを披露する場を提供する、という私たちのミッションに完璧に合致しています。私たちは、すべてのサッカーファンが参加できる「FIFAe World Cup™」が成功することを強く信じています。（Chief Business Officer, Romy Gai）

＜公益財団法人日本サッカー協会＞

長年にわたり世界各国で愛され続けている「eFootball™」は、日本国内でも確固たる支持を集め、サッカーファミリーにとって欠かせないプラットフォームとしてその地位を確立しています。新たに「eFootball™」を舞台に繰り広げられる「FIFAe World Cup™」は、サッカーのワールドカップ同様、世界中のeサッカー選手が夢見る最高峰の大会となることでしょう。JFAは、この「FIFAe World Cup™」に挑戦する日本代表選手を決定する選抜大会を開催し、各カテゴリーの日本代表と同様に、サッカーe日本代表選手たちが世界の頂点を目指して活躍できるよう、サポートしていきます。（会長　宮本恒靖）

＜アルゼンチンサッカー協会＞

間もなく30周年を迎える「eFootball™」は、我が国では非常に人気のあるゲームであり、サッカーファンのための最高のコミュニケーションツールのひとつとなっています。「eFootball™」とのコラボレーションによる新しい「FIFAe World Cup™」への参加は、世界中のサッカーファンの究極の目標となるでしょう。アルゼンチンから「FIFAe World Cup™」の世界チャンピオンが誕生するよう、この「eFootball™」の選手の皆さんを全力でサポートしてまいります!　（Chief Commercial & Marketing Officer,　Leandro Petersen）

＜フランスサッカー協会＞

「eFootball™」で実施される「FIFAe World Cup™」に、KONAMIのパートナーでもあるフランスが参加できることを誇りに思います。コンソールとモバイルの両方で開催されるこの唯一無二な世界大会は、猛スピードで進化を続けるeスポーツ産業において、フランスサッカー協会とフランス代表チームの地位を押し上げる素晴らしい機会となります。KONAMIとFIFAeが、新たな「FIFAe World Cup™」の創設に向けて共に取り組むことを、大変喜ばしく思います。（Marketing Director, Francois Vasseur）

＜トルコサッカー協会＞

「eFootball™」は30年の間、トルコのすべてのサッカーファンの心を捉え、選手とサポーターを力強く結びつけてきました。「eFootball™」とのパートナーシップによって開催される新たな「FIFAe World Cup™」は、サッカーを愛する国同士がグローバルで絆を強める絶好のチャンスです。「FIFAe World Cup™」は単なるeスポーツ大会にとどまらず、サッカーへの愛によって友情とリスペクトを育む国際的なフィールドとなるでしょう。私たちは、「FIFAe World Cup™」を全力でサポートし、トルコ代表がチャンピオンとなることを目指します。この大会に参加できることが本当にうれしくてたまりません。「eFootball™」の選手には、かけがえのない体験が待っているはずです。（Marketing Director, Sema Tuğçe Dikici）

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