国際オリンピック委員会（IOC）は7月12日、第1回オリンピック・Eスポーツ・ゲームズ（Olympic Esports Games）を2025年にサウジアラビアで開催することを発表しました。今夏のパリ五輪の前に総会で正式に決定する見通しです。
サウジアラビア・オリンピック委員会（NOC）と12年の契約をすでに締結しています。なお、2024年には首都リヤドでeスポーツ史上最高賞金の「Esports World Cup」第1回大会が開催されます。
つまり、2年連続で大型のeスポーツ国際大会がサウジアラビアで発足することになります。産油国であるサウジアラビアは、その潤沢な資金を惜しげもなくeスポーツに投資しています。
IOCのトーマス・バッハ会長「オリンピック・Eスポーツ・ゲームズでサウジアラビアのNOCと協力できることは非常に幸運なことです。eスポーツの分野で、類を見ない専門知識を有しています。この経験から大きな恩恵を受けるでしょう。NOCとのパートナーシップで、特にプログラムのゲームタイトル、男女平等の促進、eスポーツに関心のある若い観客との関わりなど、オリンピックの価値を育んでいきます」
伝統競技のオリンピックとは別々に発展
IOCは、同組織内に従来のオリンピックの組織や財務モデルとは明確に区別された新たな専門の部門を構築する必要があるとしています。オリンピック・Eスポーツ・ゲームズの特殊性に対応するために、IOCは大会の組織や資金調達に関しても異なるアプローチをとる必要があるとしています。
2024年パリ五輪後の次の夏季オリンピック・パラリンピックは、2028年にロサンゼルスにて開催されます。しかし、eスポーツは伝統スポーツと同時に開催されるのではなく、別々の大会として組織し発展させていくことのようです。
オリンピックにはすでに数多くの種目が採用されていますので、新たにeスポーツが加わると大会組織委員会への負担が大きくなります。
五輪の雰囲気を共有するという意味では、同じ開催地で同時かその前後に開催するのが理想的な気もしますが、実際に大会を運営する側として現実的な選択肢を選んだと言えるでしょう。サウジアラビアという大手スポンサーを獲得したことも影響しているかもしれません。
すでに夏季オリンピックと冬季オリンピックがありますので、年月が経つにつれてオリンピック・Eスポーツ・ゲームズも次第に恒例のスポーツ行事として認知されるようになるでしょう。
伝統的なスポーツとコンピューターゲームは、求められるノウハウが全く異なり、ひとまとめにするには毛色が異なりすぎます。分催は妥当でしょう。
eSports魂では初期の頃から「eスポーツがオリンピック種目に採用されるのは時間の問題」と伝えてきましたが、ついに2025年にそれが現実になることが確定しました。
第一回大会の詳細については、まだ詳しいことは発表されていません。今後、大会の準備が進行していくにつれて、その全貌が明らかになっていくことでしょう。
eスポーツがオリンピック種目になる日は来るか？ 東京五輪を振り返りながら考察
(C)©International Olympic Committee © Saudi Olympic and Paralympic Committee
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参照：
IOC announces Olympic Esports Games to be hosted in the Kingdom of Saudi Arabia
