eスポーツの賞金額がコロナ禍以前の水準を超え、再び成長軌道に乗ったことが明らかになりました。
eスポーツの調査分析を行うEsports Chartsが発表した過去5年間の高額賞金のeスポーツ大会の統計について詳しく見ていきましょう。
高額賞金eスポーツ大会数の推移(2018-2020):コロナ禍で激減
2019年に賞金プールが50万~100万ドルの大会は81件、100万ドル以上の大会は36件ありました。新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックが吹き荒れた2020年は、前者が36件、後者が16件と半数以下に落ち込んでいたことが分かります。
理由としては、国境が封鎖されたこともあり大会が小規模となりオンラインや地域単位での開催となり、大規模な世界大会の数が減ったことが挙げられます。
身体接触がある野球やサッカーといった伝統スポーツと比較すると、ソーシャルディスタンス(社会的距離)を保ちオンラインでもプレイ可能なeスポーツへの影響は小さかったと考えられています。しかし、それでも多くの大型大会が中止に追いやられたことをデータが示しています。
高額賞金eスポーツ大会数の推移(2021-2023):新たなブーム
2021年、賞金総額は再び増え始め、2022年には賞金プールが50万~100万ドルの大会は81件で2019年と同等になり、100万ドル以上の大会は48件と2019年を超えました。
2023年には賞金プールが50万~100万ドルの大会は89件となりこちらも2019年を上回り、完全にコロナ禍による落ち込みを払拭したといっていいでしょう。
2021年は、The InternationalでValveが史上最高額となる4000万ドルの賞金総額を用意しました。また『PUBG』や『Honor of Kings』でも活動が活発化しました。
2022年から2023年にかけて主要大会の数がさらに増えましたが、これにはサウジアラビアの巨額投資が大きく寄与しています。
2023年にサウジアラビアで行われた大会Gamers8の賞金総額は4500万ドルに達しました。同年の100万ドル以上の大会のうち、実に8件がGamers8内で行われたものでした。そのなかでもRiyadh Mastersの賞金総額は1500万ドルでとりわけ高額でした。
調査結果を踏まえて
過去5年間を振り返ると、コロナ禍で一度は下火となったeスポーツですが、2022年~2023年にかけて以前の水準を取り戻し、さらにはサウジアラビアという新興勢力も加わり、新たな上昇カーブを描いています。
eスポーツは今後も右肩上がりに上昇して行くと思われます。
eスポーツのブームをさかのぼると、その兆しを2010年代初頭に見ることができます。その隆盛は大会賞金の高騰と呼応しています。牽引したのは『Dota 2』のThe InternationalとFortnite World Cupの競争でした。それに追随するように他の大会でも賞金額が上昇してゆきました。League of Legends Worldsもその一つで、人気では世界一となっています。
大会の人気と賞金額は必ずしも一致しませんが、注目度が高い大会は、賞金も高額の傾向があります。
賞金の高騰に伴い、eスポーツの主要大会の上位入賞者は高額の賞金を獲得しています。eスポーツの高額賞金は一時の流行ではなく、ゲーム市場の拡大に伴い今後も続いていくことが予想されます。
プロゲーマーは伝統スポーツのプロ選手同様に今後も高所得者となり、アスリートとして人々の憧れの的になるでしょう。
ゲームに夢中になると子どもが勉強しなくなると懸念する親がいますが、ゲームが上手だと「eスポーツプレイヤー」という職業に就き億万長者になる可能性が出てきました。ゲームがキャリア形成に役立つことが改めて示されているといえるでしょう。
(C)©Esports Charts
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