
近年のeスポーツの成長は目覚ましいものがありますが、それと同時に女子のeスポーツも盛んになってきています。
eスポーツの調査分析を行うEsports Chartsは、2023年の女性のeスポーツ大会に関するデータを発表しています。
eスポーツのデータではありますが、ゲームやスポーツの枠を越えて、社会全体の様相が数値として如実に現れており、非常に興味深い内容になっています。
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女性eスポーツ
『VALORANT』が牽引
FPSゲーム『Valorant』は複数の大会の合計の視聴時間が約1630万時間で前年比48%増加し、2023 年の女性eスポーツで最も注目されたタイトルと言えるでしょう。
MOBAゲーム『Mobile Legends: Bang Bang』は複数の大会の合計の視聴時間が約900万時間と前年比22%増加して2位。
『Valorant』と『Mobile Legends: Bang Bang』で視聴時間の9割以上を占めました。他のゲームタイトルには『Counter-Strike』『League of Legends』『Apex Legends』等があります。前年3位だった『PUBG Mobile』はランクインしませんでした。
第32回東南アジア競技大会におけるWomen's Tournament (Mobile Legends: Bang Bang)は、視聴時間ランキングで1位となり、瞬間最高視聴者数では世界新記録を更新しました。
両方のランキングとも、VCT 2023: Game Changers Championship (Valorant)が2位に入りました。
VALORANT Game Changersシリーズから複数の大会がランクインしています。ちなみに日本にはGame Changers Japanがあり、世界の様々な地域で開催されています。
女性eスポーツ大会の視聴時間ランキング(2023年)
1位:32nd SEA Games - Women's Tournament (Mobile Legends: Bang Bang)[636万時間]
2位:IVCT 2023: Game Changers Championship (Valorant)[561万時間]
3位:VCT 2023: Game Changers EMEA Stage 1 (Valorant)[144万時間]
4位:VCT 2023: Game Changers Brazil Series 1 (Valorant)[125万時間]
5位:MLBB Women’s Invitational 2023 (Mobile Legends: Bang Bang)[109万時間]
女性eスポーツ大会の瞬間最高視聴者数ランキング(2023年)
1位:32nd SEA Games - Women's Tournament (Mobile Legends: Bang Bang)[136万人]
2位:VCT 2023: Game Changers Championship (Valorant)[29万人]
3位:MLBB Women’s Invitational 2023 (Mobile Legends: Bang Bang)[17万人]
4位:VCT 2023: Game Changers NA Series S1 Open Qualifer (Valorant)[14万人]
5位:VCT 2023: Game Changers Brazil Series 1 (Valorant)[10万人]
賞金の金額とゲームタイトル別の割合
2023年の女性のeスポーツ大会は、合計で220万ドル以上の賞金が用意され、その半分以上が『Valorant』によるものでした。
『Mobile Legends: Bang Bang』は絶大な人気がありながら、賞金額ではランクインしませんでした。東南アジア競技大会という、メダル獲得が栄誉とされるイベントだったことが影響しているでしょう。

女性eスポーツ大会の賞金額(ゲームタイトル)ランキング(2023年)
賞金合計額:224万ドル
1位:Valorant (54.4%)
2位:Counter-Strike (23.4%)
3位:Fortnite (10%)
4位:Apex Legends (5.3%)
5位:Rocket League (4.1%)
6位以下:その他 (2.8%)
賞金の金額と地域別の割合
地域別の賞金分布では南米が35.6%で1位となりました。「VCT 2023: Game Changers Brazil Series 1」がブラジルで開催されたことが大きく影響しています。
アジアは下から2番で、最も賞金の少ない地域はアフリカでした。
女性eスポーツ大会の賞金額(地域)ランキング(2023年)
賞金合計額:224万ドル
1位:南アメリカ (35.6%)
2位:北アメリカ (26.8%)
3位:ヨーロッパ (10%)
4位:アジア (9.1%)
5位:アフリカ (3.5%)
調査結果を踏まえて
この賞金の分布を見ると、ジェンダー平等意識の高い地域では女性eスポーツ大会の賞金が多く用意されているという傾向が見て取れます。
日本はもちろんアジアの国ですが、進んでいる地域と遅れている地域で明暗が分かれていることをしっかりと受け止めて、女性eスポーツの発展に尽力していく必要があるでしょう。
世界のeスポーツシーンを見渡すと、主要大会の入賞者や賞金ランキングの上位は男性選手で占められているのが現状です。
そこで、女性限定の大会を積極的に開催し、賞金額を増やしていくことは、意義深いものでしょう。注目が高まれば、観客動員も増えますし、スポンサーも集めやすくなります。
まずは、どんな女性eスポーツのイベントがあるかを知り、フォローしたり大会にエントリーしたりしてみましょう。
(C)©Esports Charts
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