オリンピックのeスポーツが本格的に始動しようとしています。3月1日に、国際オリンピック委員会(IOC)より今年のオリンピックeスポーツシリーズ(OES)の採用タイトルを発表しました。中には『パワプロ』『グランツーリスモ』といったお馴染みのタイトルも存在。予選はすでに開始しており、決勝は6月にシンガポールにて開催される予定です。
オリンピックeスポーツシリーズ 開催概要
OESは3月1日から順次予選が開始し、5月15日に予選終了となります。6月23日から25日にかけてシンガポールでオフラインの決勝イベントが開催され、オリンピックの公式サイトなどで配信される予定となっています。今回発表された採用競技は9種目。それぞれにゲームタイトルが1つ割り当てられています。
採用タイトル
- アーチェリー(Tic Tac Bow)
- サイクリング(Zwift)
- セーリング(Virtual Regatta)
- ダンス(Just Dance)
- チェス(Chess.com)
- テコンドー(Virtual Taekwondo)
- テニス(Tennis: Clash)
- モータースポーツ(Gran Turismo™)
- 野球(WBSC eBASEBALL™パワフルプロ野球)
Tic Tac Bow、Virtual Regatta、Tennis: Clashなどはモバイル用のタイトルとなっています。Chess.comは非常に有名なチェスのオンラインレーティング対戦サイトで、eスポーツの括りには入れられているもののほぼチェスそのものと言っていいでしょう。
日本のゲーマーにも馴染み深いタイトルとしては『パワフルプロ野球』『Just Dance』『グランツーリスモ』があります。『Just Dance』『グランツーリスモ』は世界中で親しまれているタイトルですが、『パワフルプロ野球』は比較的日本ローカルな作品と言えるので、採用タイトルの中でもやや異彩を放っています。いずれにせよいわゆる今のメジャーeスポーツタイトルからは一線を画したラインナップとなっています。あくまでリアルスポーツの延長線上としてeスポーツを扱う姿勢の結果なのか、eスポーツが現状その性質上どうしてもいち企業の「商品」で競う必要があることを考慮してタイトル選定には慎重になっているのか。真意は不明ですが、まさに過渡期といった風情で非常に興味深いと言えるでしょう。
ほとんどのタイトルはオープンエントリーとなっていますが、テコンドー、サイクリング、ダンスは招待制のイベントとなっています。
6月22日から25日にかけては「オリンピックeスポーツウィーク2023」とされ、OESの決勝大会も行われます。シンガポール国際会議展示場にてオフライン大会以外にもパネルディスカッションやショーマッチや、最新技術の展示なども行われる予定となっています。
世界最大のスポーツの祭典であるオリンピックが公式に「eスポーツ」に興味を示しているのは、シーンにとっても大きな影響があるでしょう。特に『パワプロ』はこれを機に一気に世界的な知名度をあげ、eスポーツタイトルとして認知されるかもしれません。今後、オリンピック採用を意識してリアルスポーツをモチーフとしたeスポーツタイトルの開発が盛んになるという可能性もあります。オリンピックとeスポーツの今後には、これからも注目です。
(C)©IOC ©KONAMI ©Sony Interactive Entertainment
ゲームを仕事に。チャンスをみんなに。eスポーツ選手紹介サービス「ゲーマーズ・ナビ」
URL: https://www.gamers.work/