コロナ禍からの回復を目指した2021年のeスポーツ。その結果や最新の動きを見ると、今後の新たなトレンドになりそうな兆候も出てきました。それではデータとともに振り返ってみましょう。
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視聴者は6.7%増加し4億6500万人超
ゲーム専門の調査会社『Newzoo』によると、2021年にeスポーツを視聴した人は、4億6510万人でした(前年と比べて6.7%増加)。そのうち2億3550万人は月に1回未満、残りの2億2960万人は月に1回以上、eスポーツを視聴しています。
この視聴者数の多さは、eスポーツの収益にも影響を与えています。
収益は14.5%増加し1000億円以上
2021年のeスポーツの収益は10億8410万米ドル(約1256億円)でした。これは前年比14.5%増と『Newzoo』は伝えています。
最大の収益源はスポンサー収入で、収益全体の半分以上を占めています。
デジタルが前年と比べて50.4%増加したのには、コロナ禍で活動の場が失われ、デジタルに活路を見出し、成果が出てきたことの表れの可能性があります。多くのチームが、クラウドファンディングで支援の呼びかけを行いました。
また、新たに注目されているのがブロックチェーン技術であるNFT(非代替性トークン)です。NFTとeスポーツは、ともにスポンサーシップやテクノロジーと深く関係しており、好相性。今後の成長が期待できます。
2021年のeスポーツの収益
2021年のeスポーツの収益総額:10億8410万米ドル(約1256億円)
収益内訳
1位:スポンサーシップ[6億4100万米ドル](約743億円)前年比11.6%増
2位:メディアライツ[1億9260万米ドル](約223億円)前年比13.4%増
3位:パブリッシャーフィー[1億2660万米ドル](約147億円)前年比22.6%増
4位:マーチャンダイズ&チケット[6660万米ドル](約77億円)前年比13.8%増
5位:デジタル[3230万米ドル](約37億円)前年比50.4%増
6位:ストリーミング[2510万米ドル](約29億円)前年比25.7%増
eスポーツチームが株式上場
eスポーツや成長産業であり、投資を呼び込むことに成功しています。
様々な大会に所有チームを参戦させているFaZe Clanは、特別目的買収会社(SPAC)の「B. Riley Principal 150 Merger Corp.」を通じて、NASDAQに上場する計画を2021年に発表しました。評価額は10億米ドル(約1150億円)になると言われています。
他にも、100 ThievesがシリーズCラウンドで6000万ドル(約69億円)の資金を調達。100 Thievesの時価総額は、4億6000万米ドル(約533億円)と言われています。
今後は、eスポーツチームが投資を受けるのはもちろんのこと、より多くの資金獲得のために株式公開が盛んになっていく可能性があります。
【まとめ】今後も収益は右肩上がり・資金増大と収益源の多様化を画策
eスポーツの収益が2024年には、16億ドル(約1853億円)に増加すると『Newzoo』は試算しています。順調に成長するという観測は、さらなる投資を呼び込む上で好材料となるでしょう。
eスポーツ関連団体は、積極的に投資を受ける努力をする一方、リスク分散のために収益源の多様化も図っています。
eスポーツ界はパンデミックからの回復軌道にあり、長期的な見通しは明るいものだというのが大勢の見方と言うことができるでしょう。
(C)©Newzoo
ゲームを仕事に。チャンスをみんなに。eスポーツ選手紹介サービス「ゲーマーズ・ナビ」
URL: https://www.gamers.work/
参照:
The Games Market and Beyond in 2021: The Year in Numbers (Newzoo)