2020年1月20日、「LEARN、FEEL、FUN」の3つ柱をテーマとした異業種交流イベント「eSPORTS TRINITY」の第二回が開催されました。第一回に引き続き凸版印刷株式会社、株式会社サイバー・コミュニケーションズ、株式会社電通の3社合同による開催となっています。イベントの第一部では有識者によるセミナーセッション、第二部は各企業代表者による『ストリートファイターV』の対抗戦が行われました。
ただの大会を超える『RAGE』というブランドへ
セミナーセッション最初の登壇者は株式会社CyberZ取締役であり日本最大級のeスポーツイベントであるRAGEの総合プロデューサーである大友真吾氏。CyberZのeスポーツへの総合的な取り組みや、RAGEが今の規模に至るまでの道のりなどが解説されました。そして、特にセッションの主眼となっていたのは日本のeスポーツがいまだに「プレイヤー」が主軸になっているという点です。もちろんプレイヤーがいないことには始まらないのですが、eスポーツが興行としてもう1段階ステップアップするためにはやはり観客が必要です。日本のeスポーツはいまだにプレイヤーへの「観戦文化」が根付いていない、というのが大友氏の分析でした。
「自分が参加した大会は観る」ということでまずは大会の参加者を地道に増やす取り組みをしているほか、プロリーグの開催などによってゲームだけではなくプレイヤーにもファンベースを作るといった、観戦層を増やすためのアプローチを取っているとのこと。マネタイズに関しても、さまざまなスポンサーとのタイアップを実現しており、将来的には「RAGE」をただの大会に留まらない一大ブランドへ仕立て上げたいと大友氏は語っていました。
ゲームプレイヤーたちに寄り添ったマーケティングを
二人目の登壇者はサッポロビール株式会社、マーケティング開発部の福吉敬氏。自らを根っからの「ギーク」と紹介した福吉氏ですが、サッポロビールのeスポーツ参入への立役者でもあります。福吉氏はもともと独自のルートでeスポーツへの参入を画策していましたが、そこにちょうどスポンサーしていたバスケットボールBリーグの「レバンガ北海道」から新たに発足するeスポーツチームへのスポンサー依頼が。渡りに船ということでeスポーツ事業へと参入をしたようです。
サッポロビールはもちろんお酒の会社ですので、参入するゲームは「成人プレイヤーの割合が高いゲーム」を選定しているとのこと。現在はPUBG JAPAN SERIESのスポンサーとして活動しており、チームの選手の配信やファンミーティングに商品を提供しています。こういった選手経由でのエンゲージメントが確実に成果をあげているほか、PWI2019では念願かなって実際に大会会場でのビール提供が実現しています。
福吉氏は「皆が好きなのはゲームであって、eスポーツという事象ではありません。このコンテクストを忘れてしまえば成功は難しいでしょう」と最後に主張しセッションを終えました。
大盛りあがりの企業対抗戦
イベントの第二部ではなんと『ストリートファイターV』を使用した企業対抗戦が開催。異業種交流イベントとしては大変盛り上がりました。参加した企業は以下の通り。
- 朝日新聞
- 日立システムズ
- ブックオフコーポレーション
- PwCコンサルティング
- トライゼット
- ファングラー
- CyberE
- ビーウィズ
- アプリィ
司会進行は最近ふ~ど選手との結婚も話題になった倉持由香さん。実況はキャスターとして実績を持つなない氏でした。企業対抗戦は今回参加するにあたって始めて『ストリートファイターV』に触れた初心者の方からグランドマスターのプレイヤーまで入り乱れる大会となりました。順当に決勝まで勝ち上がったのはトライゼットの西川氏(バルログ)と、アプリィのエルシュアール氏(ベガ)。特にエルシャール氏はアプリィ所属のプロ選手であり、試合前の一言コメントでも「優勝します」と自信満々。アプリィからも「優勝してこい」と指示されているらしく、初心者やアマチュア混じりの大会では流石に負けられない所なのでしょう。間違いなく猛者である西川氏のプレイスタイルに素早く対応し、完勝する見事なプレイを見せました。
なお、eSPORTS TRINITYは5月に第三回も開催予定。大人気のイベントでチケットを取るのもそれなりに困難とのことで、eスポーツ事業に興味のある企業は早めにチェックしておくのが良いでしょう。
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