Valveが主催するDota2世界最大の公式大会であり、最も高い賞金総額を持つeスポーツ大会であるThe International 2の決勝トーナメントが8月20日から25日にかけて行われました。賞金総額32億円のFortnite World Cupが今年開催され、2018年度のThe Internationalの賞金総額を上回ったことが話題となりましたが、The International 2019はさらにそれを上回る賞金総額3400万ドル(日本円で約35億円超)の大会となりました。
The Internationalの賞金は、Valveがもともと用意されている賞金に加えて、大会を記念して販売されるゲーム内アイテムであるバトルパスの売り上げの25%が賞金プールへと加えられます。Valveの用意する賞金が160万ドルであることを考えると、プールされた賞金が賞金総額のほとんどを占めることになります。Dota2のプレイヤーベース、そしてeスポーツの市場が拡大していけばさらに賞金総額は上がっていくことが予想されますので、近いうちに40億円を超えることもあるかもしれません。
The Internationalのフォーマットや賞金については、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
結果
The International 2019のメインステージである決勝トーナメントは、上位トーナメントと下位トーナメントが8チームずつの変則的なダブルエリミネーショントーナメントという方式を取っています。下位トーナメントの最初のラウンドは1本先取であり、負けたチームは即座に敗退となります。勝ったチームは上位トーナメント1ラウンド目の敗北チームと戦うことになり、そこからは通常のダブルエリミネーショントーナメントです。通常のダブルエリミネーショントーナメントと違うのは、決勝トーナメント前のグループステージの成績によってルーザーズ(に該当する下位トーナメント)に配置されるということでしょう。
決勝トーナメントは以下のようにチームが割り振られていました。
上位トーナメント
- PSG.LGD
- Victus.Pro
- Vici Gaming
- TNC Predator
- OG
- Newbee
- Team Secret
- Evil Geniuses
下位トーナメント
- Alliance
- Royal Never Give Up
- Fnatic
- Team Liquid
- Infamous
- Keen Gaming
- Mineski
- Natus Vincere
決勝トーナメントは、上位トーナメントをOGが勝ち抜き、下位トーナメントをTeam Liquidを勝ち抜きました。Team Liquidは上位トーナメント決勝でOGに敗れたPSG.LGDも破り、下位トーナメントから見事にグランドファイナルまでたどり着きましたが、OGに1-3で敗れ、OGがThe International 2019の覇者となりました。
決勝のOG vs Team Liquidは、2018年大会の覇者と2017年大会の覇者の対決でもありました。Dota 2の歴史で、The Internationalで2度優勝したことのあるチームはいませんでした。しかしそれも今年までの話です。The International 2019の優勝をもって、OGは世界で唯一Dota 2のAegisにその名前を2度刻んだチームとなり、また唯一2連覇を成し遂げたチームともなりました。
そんな栄誉あるOGには、賞金総額の45.5%である。1560万ドルが与えられました。日本円にして16億円を超す額です。5人のチームメンバーで均等に分配しても3億円超と、今年のリアルスポーツの大会でも最高クラスの賞金額を誇るテニスのウィンブルドンの優勝賞金(約3.2億円)とほぼ同じ額となっています。準優勝のTeam Liquidにも、440万ドル(約4.6億円)が与えられました。
The Internationalという世界最大のeスポーツ大会にまつわる熱狂は、eスポーツ市場の拡大とともにさらに盛り上がっているように感じます。来年のThe International 2020からも目が離せないでしょう。
(C)©Valve
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