ゲームに特化した調査や分析を行うNewzoo社は、2019年のeスポーツ市場に関するレポート「Newzoo Global Esports Market Report 2019」を発行しました。
eスポーツ産業とその進展、市場予測、収益、投資、メディア、eスポーツ・オーディエンス(視聴者)、最新のトレンドなど、詳細についての報告が含まれています。
その調査によると視聴者は、世界で2億人に上り、収益は今年10億米ドル(約1100億円)を超えると見積もられています。
eスポーツ関連産業は2000億~3000億円
また、 ESL (Electronic Sports League)の発足に関わり、2017年には初のeスポーツ専門の投資会社BITKRAFT Esports Venturesを創設したイェンズ・ヒルガーズ氏によると、eスポーツ関連産業も含めると、その市場規模は20億米ドル~30億米ドル(約2200億円~3300億円)にもなるとのことです。そのうち、eスポーツのイベント関連の収益は、6億5000万米ドル(約700億円)とされます。
BITKRAFT Esports Venturesは、西洋諸国の企業として、初めて日本のeスポーツに大規模な投資をしたことでも知られています。日本で行われるLoL(リーグ・オブ・レジェンド)のプロリーグ「LJL 」に参画するプレイブレーン社(東京)に190万米ドル(約2億円)を出資しています。イェンズ・ヒルガーズ氏は、BBCに対して次のように語っています。
「我々は、eスポーツは次世代のスポーツだと考えていて、伝統的なスポーツの仕組みが、eスポーツでも、うまくいく見込みがあります。パフォーマンスを発揮するための栄養に関する会社を3、4年前に立ち上げました。伝統的なスポーツのアスリートだけではなく、eスポーツにもよい栄養というのがあるはずです。この会社の栄養プロダクトは、精神的耐久性、メンタルスタミナに焦点を絞っています。パフォーマンス・サプリメントは、2、3時間のゲームで、集中力を維持する助けとなるものです。ゲームや関連ハードウェアの商品を提供する会社の収入の大きな部分もeスポーツに関連していると思います。それらを含めると、eスポーツ関連の収益は200億から300億米ドルと、大きな市場です」
イェンズ・ヒルガーズ氏は、eスポーツが、投資家に有望な機会をもたらすと考えています。コンピューター企業はもちろん、自動車会社やシャンプーメーカーもスポンサーシップに協賛しています。
マンチェスター・シティFC、パリ・サンジェルマン(PSG)、ASローマといった名門サッカークラブが、eスポーツチームを所有し、サッカーゲーム『FIFA』をプレイしています。そして伝統的なスポーツの様に、eスポーツ・プレイヤーも売買されています。
eスポーツとゲームあわせて15兆円
eスポーツとビデオゲームをあわせると、市場は世界で1370億米ドル(約15兆円)となります。レコードセールスやコンサートなどの規模が1300億米ドル(約14兆円)の音楽産業と比較すると、既にそれを上回っていて、今後も成長することが見込まれています。
一方で子供がゲームに熱中することを親が懸念することについて、イェンズ・ヒルガーズ氏は「バーチャルリアリティに時間を費やすべきか、バランスに思慮すべきです。ゲームをスポーツとして受け入れない人もいます。eスポーツの好きなところは、2つの世界の懸け橋になるということです。eスポーツは、ゲームで人々を負かせるのではなく、人々をスターにしています。ゲームで成功するためには、チームや友達とコミュニケーションをとらないといけません」といい、eスポーツが、良い効果をもたらすとしています。
今後、さらに盛り上がっていくeスポーツに注目しましょう。
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